産婦人科の現場、肌で感じる化学物質の影響とは?
2016/11/16
環境省は、1998年以来発表してきた環境ホルモンのリストを「社会不安をあおる」などとして2005年に公表をとりやめました。すべての原因がそこにあると、妄信するのはよくありませんが、産婦人科医である池川明氏はあえてその危険性を提示しています。
環境ホルモンとは?
環境ホルモンは、流行語大賞になるほど一時期世間をにぎわせましたが、その意味を正しくご存知でしょうか?環境ホルモンとは、内分泌かく乱作用を起こすと疑われる化学物質のことです。
日本にはまだない化学物質も多く含まれており、いたずらに現代病を環境ホルモンと結びつける風潮が強くなったため、環境省はリストの公表をやめました。
現代病は環境ホルモンのせい?
実は、環境ホルモンの影響を実証するのは非常に難しく、解釈によってはそうだとも、違うとも言えます。学者によって意見や主張が違うのも致し方ないことです。もちろんすべての現代病が環境ホルモンだけのせいではありませんが、同じデータでも見方によって正反対の結論が出ることもあるのです。
リスクの可能性は否定できない
賛否両論ある中、池川クリニック院長として30年近く産婦人科の現場に携わってきた池川明氏は、自身の著書の中でリスクを示唆しています。
『女性を悩ませる経皮毒』という本で、化学物質が皮膚から進入し、胎児に影響を与えているのではないかと警鐘を鳴らしているのです。30年にわたり婦人病や妊娠・出産に携わった経験から、胎児や生まれてくる子供達は化学物質の影響を誰よりも強く受けてしまうと肌で感じていらっしゃいます。
羊水や精液、卵胞液や母乳からまで環境ホルモンであるダイオキシンが実際に検出されているのが現実なのです。
リスクはできる限り排除したい
環境ホルモン=化学物質が婦人病や胎児に与える影響は、実証されていないものや研究途上のものが多くあります。
しかし、科学的に実証できていないからといって、現場で感じている女性や胎児への影響を、証拠が見つかるまで放置してもよいでしょうか?少しでもリスクがあるのなら、できる限り原因を排除したいと、池川医師は書いています。
長年婦人科の現場に携わってきた医師が鳴らす警鐘を、どう受け止めますか?大切な未来を担う子どもたち、できるだけ危険からは遠ざけてやりたいものですね。
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