ヒトの精子が減少している?!環境ホルモンの関与とは?
2016/11/24
ここ数十年で、婦人病が増えていることは何度も書いてきましたが、実は男性の方へも環境ホルモンの影響を疑わざるを得ない報告が、次々とされています。
人類が文明とともに生み出した環境ホルモンは、一体どこまで影響を及ぼすのでしょうか!
海外での調査結果
1992年、デンマークのスカッケベック博士らが行った調査では、1938〜1990年の約50年間で、成人男性の精子の数が50%も減少していることがわかりました。
精液の量自体も25%減少しているというのです。
また、それと同時に精液1mlあたりの精子の数が1億個を越える男性の数が減少していることも明らかになりました。
一方で、ベルギーで行われた研究では、成人男性の精液に異常な精子が急増していることも報告されています。
日本における調査報告
日本では、人工授精を目的にして集められた精液を調査した結果が報告されています。
慶應義塾大学では1948年から人工授精の研究が行われていますが、それによると、20〜25歳までの健康な日本人男性の精液が、1970〜1998年の期間で精子濃度が減少していることがわかりました。
特に1990〜1998年に採取されたものに、著しい減少が見られたということです。
内外の精子調査からわかること
精子の濃度や生殖機能に異変が起こる場合は、原因となる障がいを受けるのは胎児期であると考えられます。
つまり、母親のお腹の中にいて、精巣が形成される時期にあたります。
調査対象が20〜25歳の男性であるということは、彼らは1970年代後半に、なんらかの障がいを受けたと推測されるのです。その期間に生まれた人たちがに、精子の濃度減少、生殖機能異常などの異変が起こっているのです。
折しも、日本では高度成長期。工業の発達による大気汚染や水質汚染などの公害問題が深刻化した時期です。環境ホルモンが関係しているのではないかと、誰もが推測できる状況と言えるでしょう。
ヒトや自然界の生殖機能に影響を与え続ける環境ホルモンを、このまま放置しておいていいのでしょうか?少子化が問題になって久しいですが、このような背景もあることを、忘れてはなりませんね。
参考書籍「経皮毒からの警告」
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関連項目
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