環境ホルモンが生殖異常に影響を与えているカラクリ
2018/05/15
少子化が叫ばれていますが、これは若い世代の結婚観だけとは限らない、環境ホルモンの影響が考えられるようになりました。
男性の精子数減少、女性の婦人病の増加、男女ともに不妊症が増えていることを考えると、それも納得のいくことばかりです。環境ホルモンが現代人の生殖異常に影響しているメカニズムを見ていきましょう。
男女の性ができるまで
環境ホルモンが現代人の生殖異常に関わっているのではないか?ということを説明するには、ヒトの発生まで遡らなければなりません。
男性はXYという性染色体を、女性はXXという性染色体を持っています。男性の場合、精子の段階ではXかYしか持っておらず、それがX染色体を持つ女性の卵子と結合して受精します。
つまりY染色体の精子が受精すれば男性に、X染色体の精子が受精すれば女性になるという訳です。受精卵の時点で、すでに性が決まっているのですね!
環境ホルモンがどう影響する?
その後、受精卵は分裂をくり返して成長していきます。この時、XY染色体を持つ赤ちゃんは、男性ホルモンを作り始め、精巣や精管などが作られます。一方でXX染色体を持つ赤ちゃんは、女性ホルモンを作り始め、子宮や卵管ができていきます。
ここに女性ホルモンに似た働きをする環境ホルモンが影響したら、どうなるでしょうか?
男の赤ちゃんは男性ホルモンの作用を邪魔され、性の発達で障がいを受けることになってしまいます。女の赤ちゃんは過剰な女性ホルモンにさらされることになります。
将来男性として、あるいは女性としての機能を発現できるかどうかは、この胎児期の環境ホルモンに影響されていると考えられる理由がわかりますね。
母親が有害物質を受けないこと
赤ちゃんが、お母さんのお腹の中で受ける影響は計り知れないということです。つまり、母親がすでに有害物質を体内にため込んでいると、赤ちゃんに影響が出る可能性があるのですね。
そうならないためにも、将来妊娠出産を考えている女性は、有害物質を入れない、溜めない、できる限り外に出すということを心がけるようにしたいものです。
なるほど、赤ちゃんが男女の生殖機能を作る時に、影響を受けることで障がいとなってしまうのですね!女性は赤ちゃんを産む前から、本当に身体を大切にしたいものですね!
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