身体を有害物質の侵入から守る皮膚バリアー。そのしくみとは?
2018/03/10
経皮毒とは、皮膚から有害物質が吸収されることです。
しかし、本来皮膚には、強力なバリアー機能が備わっているのです。今回は、その皮膚のしくみを知り、どうして経皮毒が起こるのかを理解しましょう。
メカニズムがわかれば、何に気をつけるべきか、自分で判断できるようになります。
ターンオーバーとは?
皮膚は生きている限り新陳代謝をくり返します。皮膚の底の方「基底層」でつくられた皮膚細胞が、徐々に平たくなって上の層へ押し上げられ、細胞自体は死に「角質層」になります。
そして、一番外側まで押し上げられると、垢となって剥がれ落ちていきます。
これがターンオーバー。
このサイクルは通常28日です。加齢や何らかのトラブルでターンオーバーのサイクルが乱れると、肌荒れが起こるのです。
角質層の重要な働き
表皮の中でも、角質層は外界からの強力なバリアーとして働いています。
水分は20%しか含みませんが、10〜15層にも重なっており、表面は皮脂で覆われていて、これが外からの異物を侵入させないシステムとなっているのです。
また、角質層には水分などに異物をためておき、後から入って来ようとする異物を遮断する働きもあります。
つまり、水分と一緒に異物が入ってきた場合、角質細胞は水分を吸収してふくらみ、ターンオーバーで上に押し上げられる時、異物の一緒に押し上げられ、剥がれ落ちていくのです。
皮膚バリアーを突破するもの
通常の異物であれば、皮膚のターンオーバーと、角質層の働きでシャットアウトされるか、排出されるかですが、それでも完璧に遮断されている訳ではありません。
接触した物質の0.5%はバリアーをくぐり抜けて皮膚の内部にまで侵入すると言います。
そして、合成界面活性剤によって皮膚バリアーに穴が空いた状態になっていれば、異物はどんどん侵入してしまいます。もちろん、それらは血液やリンパ液にのって全身に運ばれてしまいます。皮膚のバリアー機能に、充分働いてもらうためにも、合成界面活性剤を使用しないよう、気をつけましょう。
皮膚バリアーってすごいメカニズムなのですね!
せっかく備わった強力な防壁を、わざわざ日用品を使って壊すなんて、もったいないですよね!毎日使う日用品だからこそ、気をつけたいものです。
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関連項目
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