皮脂は天然のクリーム、理想の化粧品クリームとは?
2018/08/03
皮脂には安全な量の界面活性剤が存在しています。驚きですよね!皮脂腺で作られた油脂が皮膚に存在する油脂分解酵素や常在菌によって分解されてできるのが「脂肪酸」と「グリセリン」です。
保湿剤としてたくさんの化粧品にも配合されていますが、理想の化粧品のクリームとはどういったものでしょうか?
化粧品のクリームを分類
ではまず、現在市販されている化粧品のクリームを分類してみましょう。4つに分けることができます。
①コールドクリーム型、乳液=「油+水+界面活性剤」
②バニシングクリーム型、乳液=「脂肪酸+水+界面活性剤」
③両者混合型のクリーム、乳液=「油+脂肪酸+水+界面活性剤」
④無水型のクリーム(マッサージ用、洗顔用)=「油」
さて、では皮脂という天然のクリームは、どれに一番近いでしょうか。
皮脂=「油+脂肪酸+水+モノグリセリド(グリセリンの一種)」
なので、③の混合型クリームと同じ成分ということになります。つまり、化粧品を選ぶ時も、この基本形に近い成分で作られたものが理想的ということですね。
化粧品のクリームは界面活性剤過剰
皮脂は、上記の基本形に、汗や皮脂から落ちた垢、タンパク、アミノ酸、乳酸、ほこりなどが混ざることで本来の皮脂に似てきますが、これを人工的に作るのは非衛生的になってしまうため、汗である乳酸のかわりに弱酸性化粧品を使って酸度を保持するのです。
この中には界面活性剤も入っていて、乳化を補助しています。皮脂にも界面活性剤が存在すると言いましたが、それはほんのわずかであり、一方化粧品のクリームは界面活性剤が3〜6%と濃度が高すぎます。
理想のクリームとは?
理想のクリームは、界面活性剤をかろうじて乳化できるだけの濃度にしたものですが、油っぽいクリームは嫌われるため、化粧品メーカーはどうしても合成界面活性剤をたくさん入れ、大量の水が配合されたクリームを作っているのです。
また、油分と水分が分離してしまうことを防ぐ意味もあるようです。肌の新陳代謝のためには、乳化した化粧品でなければいけませんが、合成界面活性剤が多すぎる化粧品には用心しなければいけませんね。
皮脂は敵だと思っていた人も多いと思いますが、実は最高の天然クリームなのですね!
なるべく組成の近い化粧品クリームを選びたいものです。
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関連項目
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