その月経痛、子宮内膜症かもしれません!婦人科で検査を受けましょう
2016/11/16
妊娠した理由以外で婦人科を訪れることに抵抗がある女性は少なくありません。
恥ずかしい、どんなことをされるか不安……といった理由で、毎月ひどい月経痛に一人で耐えていることも多いのです。
ですが、あまりにもひどい生理痛には、将来にかかわる病気が隠れている場合があるのです。子宮内膜症の症状と、どんな診察をするのかをご紹介いたします。
子宮内膜症の症状
子宮内膜症とは、子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所で増殖してしまう病気です。
実は40年前の日本ではほとんどなかった病気だったのに、現在では20~40代女性の10%もの割合で、この病気にかかっているといわれているのです。
子宮内膜症の症状は、
・重い月経痛
・頭痛
・腰痛
・月経過多
・性交痛
などがありますが、総じて言えるのは、生理痛が異常に激しいということです。子宮内膜症は、人によって場所が違うところにできるため、痛みの種類も痛む場所も違います。
もし知人に子宮内膜症の人がいても、同じ症状とは限りませんので、重い生理痛がある方は、ぜひ婦人科を受診してください。
子宮内膜症を放っておくとどうなる?
月経の度にひどい痛みがあっても、婦人科を受診することに抵抗があり、なかなか病院へ足が向かないこともあるでしょう。
しかし、もしもその痛みが子宮内膜症からくるものならば、放っておくと将来にかかわるような重症になることがあるのです。重症化すると、
・不妊症
・卵巣がん、子宮体がん
などを引き起こすこともあり、癒着が進行してしまうと、開腹手術などの大変な治療が必要となることもあります。病院でどんな検査をされるのか不安でしょうから、次の項目で主な検査内容をご紹介します。
子宮内膜症の検査
子宮内膜症は、病巣の場所がさまざまなため、診断が難しい場合があります。検査方法は症状によって違うため、いたずらに不安になったりしないようにしましょう。
ここでは、主な検査方法をご紹介していきます。
・内診……膣に指を入れて触診します。
・直腸診…肛門から指を入れて触診します。
・超音波断層撮影…エコーともいい、皮膚の上にカメラをあて超音波撮影をします。
・血液検査……主に腫瘍マーカー(CA125などの)検査です。※1
・MRI…強力な磁気を共鳴させることにより体内の断層を撮影します。本人は寝ているだけです。
・CTスキャン…放射線コンピュータによる断層撮影をします。
内診以外は、婦人科特有の検査という訳ではありません。内診に一番抵抗があるかと思いますが、妊娠すれば誰もが受ける検査ですので、恥ずかしがることはありません。
それよりも、病気を放置し、取り返しの付かないことになる方が恐ろしいということを覚えておいてください。
確かに勇気のいる婦人科受診。二の足を踏む気持ちは女性なら誰もがわかることですが、身体のことを考えると、早目に受診するに越したことはありません。
将来後悔しないために、あまりにひどい生理痛がある方は、婦人科を受診することをおすすめいたします。それでも抵抗があるなら、女性医師のいる婦人科を探してみるといいですよ!
※1.腫瘍マーカー(wikipediaより)
癌の進行とともに増加する生体因子のことで、主に血液中に遊離してくる因子を抗体を使用して検出する臨床検査のひとつである。また、生検検体や摘出された腫瘍の病理組織標本を免疫染色し、腫瘍の確定病理診断や組織型の鑑別に用いられるなど臨床検査の場で多く使われる。 多くの腫瘍マーカーは健康人であっても血液中に存在するので、腫瘍マーカー単独で癌の存在を診断できるものはPSA(前立腺癌のマーカーに用いる)など少数であるといわれている。癌患者の腫瘍マーカーを定期的に検査することは、再発の有無や病勢、手術で取りきれていない癌や画像診断で見えない程度の微小な癌の存在を知る上で、確実ではないが有用な方法である。しかしながら、通常は進行した癌の動態を把握するのに使われるもので、早期診断に使える検査法ではない。
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関連項目
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