環境ホルモンと子宮内膜症の関係とは?
2016/11/16
あるアメリカの実験で、子宮内膜症の起こる要因となる衝撃的な事実が明らかになりました。その実験の内容を詳しく見ていき、子宮内膜症との関連を探っていきます。
アメリカ・アカゲザルの実験
1993年、アメリカの研究者ライアー博士がある実験の報告をしました。それは、婦人病のひとつである「子宮内膜症」と「環境ホルモン」の関わりを示唆するもので、大きくクローズアップされることになります。
その実験内容とは、以下の通りです。
〈実験した動物〉
アカゲザル
〈実験内容〉
環境ホルモン「ダイオキシン」を、グループ分けしたアカゲザルに、少量ずつ分量を変えて投与する。10年後にそのアカゲザルたちの生態を調査。
〈実験結果〉
・ダイオキシンを投与したサル→70~80%が子宮内膜症を発症、うち、40~70%が重症(投与した分量にもよる)
・ダイオキシンを投与しなかったサル→30%が軽症の子宮内膜症
上記の実験結果から、アカゲザルはダイオキシンが子宮内膜症の発症に関連しているということが明らかになったのです。
もちろん、アカゲザルの実験が、そのまま人間にも起こるとは限りませんが、サルとヒトは極めて近い存在であり、ダイオキシンが子宮内膜症の危険因子であると考えられることは自明です。
エストロゲン依存症の病気が増加傾向

環境ホルモンと子宮内膜症の関係とは?
環境ホルモンが、女性ホルモンであるエストロゲンと似た作用を起こすことは以前の記事にも書きました。元々体内から分泌されるエストロゲンだけなら、身体は正常に機能しますが、それが環境ホルモンといった形で、体内に入ってきたら、どうなるでしょう?
現在エストロゲン依存症と呼ばれる病気が増えています。
以下は、エストロゲン依存と考えられて、現在増加している婦人病です。
・子宮内膜症
・子宮筋腫
・卵巣のう種
・乳ガン
・子宮体ガン
・卵巣ガン など
子宮内膜症は40年間で30倍に増加、乳ガンの発症率は胃ガンを抜いて一位になるなど、確実に増えているのです。そして、この婦人病増加と若年齢化に明確な答えが見つからないことから、環境ホルモンの関連性が疑われているのです。
実験や病気の傾向から、環境ホルモンの影響はかなり大きいのではないかと考えられますね。どうしたら身を守れるのか、考えていかなければなりませんね。
42
関連項目
『環境ホルモンと子宮内膜症の関係とは?』について、多くの人に知って欲しいです
あなたの「いいね!」から共感の輪が広がり、みんなの「いいね!」が社会に反映されると、とても嬉しいです。情報の拡散にご協力をお願いします。関連記事
-
-
子宮内膜症ってどんな病気なの?そのしくみを知りましょう
よく耳にする病気ではあるけど、どんな病気かよく知らない「子宮内膜症」。 どんなし …
-
-
環境ホルモンが関係しているかもしれない?健康被害
アカゲザルの実験で、ダイオキシンが子宮内膜症を引き起こす危険因子かもしれないとい …
-
-
これだけは知っておきたい!代表的な環境ホルモン~PART1~
日本では、環境省が67種類の化学物質を環境ホルモンとしてリストアップしていました …
-
-
スローエコロジーのススメ。経費毒に負けない未来へ
米国生殖生理学会評議員や日本薬理学会学術評議員など歴任する稲津教久氏は、数々の著 …
-
-
環境ホルモンがわずかで作用する、そのわずかはどのくらい?
「ほんの少し」で私たちの身体に影響を与えてしまう環境ホルモン。 身体の中にはいろ …
-
-
胎児の時に受ける環境ホルモンが一番危険!【PART2】
さて、PART1で述べたように、性分化の時期をすぎても、胎児はまだまだ危険にさら …
-
-
シャンプーは経皮吸収されやすいってホント?!
日本では、ほとんどの女性が毎日髪を洗っていますね。 特に若い頃は1日2回シャンプ …
-
-
皮膚から、毒が侵入する「経皮毒」とは?
普段何気なく使っているもので、肌に直接触れるものって、結構たくさんありませんか? …
-
-
シャンプーから毒が入っていくる?
経皮毒とは、皮膚から有害化学物質を吸収してしまうことです。やっかいなことに、痛み …
-
-
環境ホルモンって結局なに?ほんの少しが命取りになる?
1997年に出版された「奪われし未来」で注目を浴びた環境ホルモン。 日本でもかな …